ロータス エリーゼ(2000-2010 イギリス)

ロータス

2000年10月の英国国際モーターショーで発表された「ロータス エリーゼ シリーズ2」は、極限の軽量設計で自動車界に衝撃を与えた名車の進化型である。GMとの提携によるオペル スピードスター開発受託で得られた資金を背景に、厳格化する衝突安全基準への適合を図って開発された。スティーブ・カーンズが手がけた外観造形は、柔らかな曲面から一転し、鋭いエッジと現代的な幾何学的造形を融合させた緊張感あふれる姿へと刷新された。

骨格にはアルミ押し出し材を航空機用接着剤で接合するバスタブ構造を継承。課題とされていた乗降性を改善するため、サイドシル断面を低く抑える構造改修が施された。当初のローバー製1.8リッター直列4気筒「Kシリーズ」ユニットを座席背後に横置きミドシップで搭載した前期型は、電子制御の介入を排した簡素な装備構成を徹底。ビルシュタイン製ダンパーとアイバッハ製スプリングによる強靭な足回りを備え、車両重量は約756kgという極めて軽い数値を誇った。

2004年以降は排ガス規制適合や北米市場進出を見据え、動力部をトヨタ製1.8リッター「2ZZ-GE」ユニット(連続可変バルブタイミング・リフト機構を備え192psを発生)および6速マニュアルへと移行。これに伴い、倍力装置付きABSやデュアルエアバッグなどの安全装備、エアコンの標準化や遮音材の拡充が図られた。各種装備の充実により車両重量は約860kgから900kg前後へと増加したものの、現代的な安全性と信頼性を手に入れた。

車重の増加を補う高回転型動力部と剛性バランスにより、エリーゼ特有のダイレクトな操舵感と回頭性は高水準で維持された。クーペ版のエキシージや過給仕様の追加など多彩な発展を遂げ、テスラ ロードスターの車台骨格に選定されるなど21世紀の自動車史に確固たる足跡を刻んだ。創業者コーリン・チャップマンの軽量思想を時代の安全要求と調和させ、ライトウェイトスポーツの孤高の基準を確立した名作である。

関連ブログ

オペル スピードスター(2000-2005 ドイツ)
2000年に登場した「オペル スピードスター」は、ブランドの創業100周年記念とスポーティなイメージ刷新を期して開発された本格的なオープン2シーターである。1999年のジュネーブ・モーターショーで公開された試作車を端緒とし、イギリスのロータ…
テスラ ロードスター(2008-2012 アメリカ)
2008年に量産を開始した「テスラ ロードスター」は、新興電気自動車メーカーのテスラが世界へ送り出した市販スポーツカーである。英ロータス・カーズとの提携により、同社の「エリーゼ」が誇るアルミニウム接着バスタブ構造を基本骨格として選定。英ヘセ…

画像ギャラリー

タイトルとURLをコピーしました