日産 フェアレディZ(1983-1989 日本)

日産

1983年9月に発表された3代目「日産 フェアレディZ(Z31型)」は、伝統の直列6気筒から新世代のV型6気筒エンジンへと全面的な刷新を図った高性能スポーツクーペである。先代までのクラシカルな曲線美を一新し、Cd値0.31を達成した空力的なウェッジシェイプを採用。消灯時にもレンズが前方を向く「パラレルライジングヘッドランプ」や、2シーターと2by2の2種類のホイールベース設定など、北米市場を中心とする世界市場を見据えたグランドツーリングカーとして開発された。

動力部には、新開発のV型6気筒「VG型」を導入した。排気量2,960ccのSOHCターボ「VG30ET」はグロス値で230psのパワーを発揮し、2.0L版の「VG20ET」(グロス値170ps)も設定された。さらに1985年にはセラミックターボを備えた直列6気筒DOHC「RB20DET」(ネット値180ps)搭載モデル(200ZR)を追加。1986年のマイナーチェンジでは、自然吸気の3.0L V6 DOHC「VG30DE」(ネット値190ps)を積む「300ZR」が登場するなど、測定基準の過渡期にまたがる多彩なパワーユニット群を展開した。

シャシーには前マクファーソンストラット、後セミトレーリングアームの4輪独立懸架を採用。室内から減衰力を3段階に切り替え可能な電子制御ダンパーを備え、高速巡航時の直進安定性とワインディングでの追従性を両立させた。後期型では空力パーツの形状変更とともに、流麗なブリスターフェンダーを持つ全幅拡大ボディが与えられ、足回りも専用セッティングへと進化を遂げた。

Z31型は北米を中心に高い支持を獲得し、国際ラリーや耐久レースなどの競技シーンでも活躍。1989年に第4世代のZ32型へ移行するまでの6年間で、国内外合わせて32万台以上が送り出された。伝統の直6からV6への転換期を支え、ラグジュアリーな高速巡航性能と先進工学を融合させた、80年代の日産を代表するスポーツクーペである。

画像ギャラリー

タイトルとURLをコピーしました