2011年末に発表され、2012年に世界限定99台で発売された「アルピナ B3 GT3」は、ドイツのアルピナがモータースポーツでの成功を記念して送り出した高性能クーペである。同社が「B6 GT3」で参戦した2011年のADAC GTマスターズ選手権においてシリーズ総合優勝を果たしたことを受け、その栄誉を称える記念碑的モデルとして開発。E92型BMW 3シリーズクーペをベースとする「B3 S ビターボ」を基礎として、サーキット走行を視野に入れた専用の機能部品が組み込まれた。
車体外観には、レース活動で培われた空力思想が色濃く反映された。フロント部にはカーボンファイバー製の大型スプリッターとサイドカナードが装着され、車体後端には角度調整が可能なカーボン製大型ウイングとディフューザーを配置。高速域でのダウンフォース獲得を追求した。足元にはGT3専用デザインとなる19インチの軽量鍛造アルミホイールが採用され、バネ下重量の軽減とともに高い冷却性能が図られた。
動力部には、排気量2,979ccの直列6気筒ツインターボユニット(408ps、55.1 kgm)を搭載。6速ステップAT(スイッチトロニック)を介して後輪を駆動した。駆動軸にはドレクスラー製の機械式リミテッドスリップデフが組み込まれ、鋭い脱出加速とトラクション性能を両立。排気系にはアクラポヴィッチと共同開発したチタン製エキゾーストシステムを採用し、軽量化と排気効率の向上が図られた。
足回りには、減衰力と車高の個別調整が可能な専用コイルオーバーサスペンションを装着。前輪に6ピストン、後輪に4ピストンのブレーキキャリパーと大径スリットローターを組み合わせ、過酷なサーキット走行に対応する制動性能を確保した。アルピナ特有の洗練されたグランドツーリング性能を根底に維持しながら、レーシングスペックの装備を凝縮した限定車として完結させた1台である。

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