ポルシェ928の縮小版シティコミューター
サンパウロのダコン社が製作した3人乗りシティコミューター。グラスファイバー製のボディは明らかにポルシェ928を模したものとなっていた。車体はフォルクスワーゲンビートル用を流用しホイールベースを切り詰めて使用し、全長は2.65mほどとコンパクト。リアに搭載されるエンジンはガソリンもしくはアルコール仕様の空冷水平対向1.6L、65馬力。最高速度は142km/hとなっていた。生産台数はわずか47台のみだった。
ネルソン・ピケも高評価
ダコン828のエンジンはビートル用水平対向4気筒を半分にした2気筒650ccから、4気筒ボアアップ版の2.1Lまでが検討されていた。1982年のブラジルGPの週末、2.1Lバージョンの試乗をしたネルソン・ピケは「まるでロケットのような加速」と高評価を与えた。ただし、市販されたのは1.6Lのみとなった。
本物を手に入れられない環境ゆえのレプリカ製作
ダコン社はよりポルシェ928に近い小型レプリカとも言えるモデルを生産していた。PAGダコンと名付けられたこのモデルは、前輪駆動のフォルクスワーゲンゴルGTをベースとし、排気量は1.8Lから2.1Lへスープアップ。最高速度は180km/h以上。ブラジルでは1976年より90年代中盤まで自動車の輸入が制限されており、現地生産車をベースとしたこのようなレプリカが生産されやすい環境となっていた。
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