コルベアはヨーロッパなどの小型車に対抗すべく開発されたコンパクトカーであり、モノコック構造のボディやアルミブロックの空冷水平対向6気筒エンジンをリアに積む構成など、当時のGMの前衛的な設計を読み取ることができるモデルだった。そんなコルベアのクーペとコンバーチブルに、1962年に追加されたオプションが「モンツァ スパイダー」ターボエンジンだった。同じGM内ではわずか1カ月前に量産車世界初のターボエンジンモデルであるオールズモビル F85 ジェットファイアがデビューしたばかりであった。しかし、コルベア モンツァ スパイダー用のターボエンジンはこれとは全く異なる設計であった。F85ではノッキング防止に水メタノール噴射を採用していたが、コルベアのほうはよりオーソドックスに圧縮比を9:1から8:1へと下げてこれに対応。また、クランクシャフトやコンロッド、ベアリングなどは強化され、排気バルブには耐熱性能に優れるニッケルクロム合金が使用された。その結果、2.4Lの水平対向6気筒OHVはターボ過給により102馬力から150馬力へと大幅な出力向上を得た。このエンジンには大きなターボラグが存在する欠点はあったが、信頼性はまずまずであり、コルベアが2世代目にモデルチェンジした後もターボエンジンモデルは引き続き販売された。

関連ブログ
画像ギャラリー







