R31スカイラインは、日本からの輸入関税対策のためオーストラリアで現地生産されていた(4気筒モデルはピンターラ、6気筒モデルがスカイラインと呼ばれた)。その中でSVD(スペシャルビークルディビジョン)により200台限定で生産された特に高性能グレードがシルエットGTS1だった。スポーティーグレードのシルエットがベースとなっており、4ドアセダンボディ、海外専用の角テールが特徴、ボディカラーはクラシックホワイトのみの設定。エンジンは2,962cc 直6 SOHCのRB30Eが搭載。標準モデルに対して圧縮比は9.0:1まで上げられ、177馬力、26.0kg-mを発生。5速マニュアルと組み合わされ、0-100km/hは9.2秒、最高速度は220km/hとなっていた。足回りにはビルシュタイン製ショックを採用。ブレーキも強化され、特にフロントブレーキは日本のGTS-R用のものでアップデートされていた。そのほか215/55VR16サイズのタイヤ&ホイールとLSDも採用し、かなり走りに振ったモデルとなっていた。これが好評だったことから、のちにより精悍な外装を与えられたGTS2が登場することとなる。
わずか200台のみが生産されたスカイライン シルエット GTS1のうち6台はタスマニア警察が購入し、パトカーとして配備されていた。
海外仕様R31スカイラインこぼれ話
R31スカイラインは日本専売モデルではなく、オーストラリアの他、中東地域などでも販売されていた。左ハンドル中東仕様、3.0GTS-Xのホイールが日本仕様と異なっており、F30レパード後期用のアルミホイールも使用されていた。ちなみにこの3.0GTS-XにもRB30が搭載されていたが、それはオーストラリア仕様のRB30Eともまた違う、キャブレター仕様、136馬力のRB30Sが搭載されていた。これは整備性や部品調達の容易さ、そして現地のガソリン事情に合わせたもので、スカイラインの他パトロール(日本名:サファリ)にも搭載されていた。
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