ベントレーは長らくロールス・ロイスのバッジエンジニアリングモデルとして、若干のスポーツイメージを与えられつつもほぼ同一の車となっており、魅力に欠けたため販売台数も低迷していた。転機が訪れたのは、1980年にデビューしたミュルザンヌにターボモデルを設定したことである。これを発展させ、よりスポーツイメージを強くしたのがターボRであった。伝統のLシリーズ、6750ccのV8 OHVエンジンにはギャレット製TO4Bターボチャージャーを装着。当時の慣習により正確な出力は未公表だったが、推定出力は300馬力、67.3kgmと強力なものであった。このエンジンにはGM製の3速オートマチックが組み合わされ、2.2トンの巨漢ながらも、0-100km/hは6.9秒、最高速度は220km/hを誇った。ちなみにターボRの”R”とはロードホールディングの意味であり、その名の通りショックやスタビライザーの設定は固められ、275/55VR15サイズのピレリP7タイヤが組み合わされるなど、そのハイパワーに見合う仕立てとなっていた。往年のベントレーにはスーパーチャージャー(ブロワー)を搭載してハイパワーを得たモデルがあったが、ターボRはそのブロワーベントレーの再来とも言われた。ロールス・ロイスとの差別化に見事成功したこのターボRは、ベントレーの販売台数を大きく伸ばすことに成功した。

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