2005年にゼネラルモーターズ(GM)から登場した「ハマー H3」は、フルサイズSUVであったH1やH2のタフな意匠を受け継ぎつつ、日常的な取り回しに適したミドルサイズへとダウンサイジングされた本格オフローダーである。GMのピックアップトラック(シボレー コロラド等)と共通の強固なラダーフレーム構造を採用し、全世界規模での普及を狙って開発された。
パワートレーンには、220馬力の3.5リッター直列5気筒DOHC「ボルテック3500」エンジンを搭載。2007年には排気量を3.7リッター(245馬力)へと拡大し、2008年には5.3リッターV型8気筒(305馬力)を積む高性能グレード「Alpha」が追加された。トランスミッションは4速ATのほか、一部地域向けに5速MTも設定された。
シャシーはフロントに独立懸架トーションバー式、リヤにリーフスプリング固定軸を採用。2スピード電子制御トランスファーを備えるフルタイム4WDシステムを搭載し、上位パッケージには電子制御リヤデフロックやアンダーボディプロテクションが組み合わされた。最大約600mm超の渡河性能や優れたアプローチアングルを備え、過酷な地形での走破性を確保した。
右ハンドル仕様の正規導入やピックアップモデル「H3T」の追加など多角的な展開が行われたが、2000年代後半の原油高やGMの経営破綻に伴い、2010年にハマーブランド自体の閉鎖とともに生産を終了した。軍用車直系のデザインと実用的なパッケージングを両立させ、同ブランドのすそ野を広げた1台であった。

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