2007年に北米専用モデルとして登場した「アルティマ クーペ」は、4代目アルティマのセダンをベースに開発された中型2ドアクーペである。セダンに対してホイールベースを100mm、全長を約190mm短縮。外板パネルの共有をボンネットフードのみにとどめ、流麗なファストバックスタイルと引き締まったプロポーションが与えられた。
パワートレーンには、175馬力の2.5リッター直4「QR25DE型」と、270馬力を発揮する3.5リッターV6「VQ35DE型」が設定された。変速機はCVTに加え両エンジンに6速MTを用意。大出力FFで課題となるトルクステアに対しては、ドライブシャフトの等長化や等角度化、エンジン搭載位置の最適化といった対策を徹底し、力強い加速と素直な操舵フィールを両立させた。
シャシーには新世代のDプラットフォームを採用し、フロントにストラット、リヤにマルチリンクサスペンションを配置した。切り詰められたホイールベースと専用チューニングが施された高剛性サスペンションにより、ベースとなったセダンとは一線を画す俊敏な回頭性と正確なロードホールディング性能を獲得した。
ホンダ・アコードクーペの対抗馬として北米市場で独自の存在感を示したものの、世界的なクーペ需要の減退に伴い、2013年モデルをもって1代限りで生産を終了した。大パワー前輪駆動車の操縦性を巧みに調教し、実用車のプラットフォームから本格スポーツクーペを創出した意欲作であった。

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