ローバー ミニ ERAターボ(1989-1991 イギリス)

ローバー

1989年に生産が開始された「ローバー ミニ ERAターボ」は、英国のエンジニアリング会社であるERAが手掛けた、クラシック・ミニにおける高性能モデルの最高峰である。標準車をベースとしながらも車体や足回りに大規模な改修が施され、「ミニ史上最速」を誇る特別なコンプリートカーとして企画された。総生産台数は436台といわれ、その大半が日本市場へと輸出されている。

フロントに横置きされる心臓部には、「MGメトロ・ターボ」から流用されたギャレット製T3ターボ付き1275cc A型直列4気筒OHVユニットを採用。SUキャブレターを加圧する過給方式(キャブターボ)を備え、狭小なエンジンルームへ収めるため吸排気マニホールドが専用に再設計された。日本の正規カタログ諸元では出力95ps/最大トルク12.0kgm(本国公称値:94bhp)を発生し、最高速度115mph(約185km/h)、0-60mph加速7.8秒を記録した。

シャシーには、ミニ伝統のラバーコーン式サスペンションをあえて維持しながら、独自のジオメトリ変更や強化ブッシュ、SPAX製減衰力調整式ダンパーを組み合わせて車高をダウンさせた。大幅なパワーアップに対応し、フロントブレーキにはMGメトロ由来のベンチレーテッドディスクが採用された。ミニ特有のクイックな操縦性を損なうことなく、高速域でのスタビリティを飛躍的に高めている。

外観は名手デニス・アダムスが手掛けた専用エアロを纏い、大型フロントスポイラーから繋がるワイドフェンダーやサイドスカート、リアスカートが力強い佇まいを創出。室内にはコノリーレザー製スポーツシートやVDO製メーターが備わり、英国車らしい上質な空間に仕立てられた。ローバー公式の承認を受けた本格的な工学アプローチが結実した一台であり、現在も世界中の愛好家から熱狂的に支持されている。

ERAは元々”English Racing Automobiles”の略称で、1933年から54年まで活動していたレーシングコンストラクター。かつてはF1グランプリにも参戦していた。その後ゼニスキャブレターに売却され”Engineering Research and Application Ltd”に改名、同社の研究開発部門に。そのERAが提案したハイパフォーマンスミニがERAターボだった。

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