1997年秋に1998年モデルとして北米市場に登場したホンダ「アコードクーペ」は、北米専用の独自設計が与えられたパーソナルクーペである。先代までとは異なり、開発段階から現地のホンダ・R&D・アメリカズ(HRA)が主導した。当時の日・米・欧の世界3極戦略のもと、オハイオ州メアリーズビル工場で生産される純粋な北米製モデルとしての性格を色濃く持っている。
外観は、セダンと外板を一切共有しないクーペ専用の流麗なボディが与えられ、ホイールベースもセダン比で約45mm短縮された。傾斜を強めたフロントウィンドウから続く滑らかなルーフラインや専用のテールランプにより、伸びやかなウェッジシェイプを形成している。内装もアメリカの嗜好に合わせ、ゆとりのある空間と上質な素材が用いられた。
ボンネット内には、新開発の3.0リッターV型6気筒VTEC(200hp)と2.3リッター直列4気筒VTEC(150hp)を設定。変速機は2.3リッターが4速ATまたは5速MT、V6は4速ATのみとされた。前輪駆動と4輪ダブルウィッシュボーン式懸架の組み合わせにより、広大なハイウェイを快適に駆け抜ける上質なツーリング性能を実現している。
この世代のアコードクーペは、北米におけるホンダの現地開発および生産能力の高さを象徴するモデルとして確固たる地位を築いた。高い長距離巡航性能と実用性を兼ね備え、アメリカ市場で確かな支持を獲得。伸びやかなスタイリングとホンダの精緻な技術が融合した、独自の存在感を放つモデルとなった。

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