トヨタ プログレ(1998-2007 日本)

トヨタ

1998年に登場した「トヨタ プログレ」は、「小さな高級車」を具現化したFRセダンである。5ナンバー枠に収まる全長4,500mm、全幅1,700mmという扱いやすい車体寸法でありながら、上位車種に匹敵する品質と静粛性を追求。グレード体系には2.5リッターユニットを搭載する「NC250」と、3.0リッターユニットを搭載する上位仕様の「NC300」が設定された。全幅を小型車枠に抑えつつも、搭載エンジンの排気量区分により全車が3ナンバー登録とされた点に、従来の車格序列に縛られない独自の思想が表れていた。

基本骨格には、のちの170系クラウンなど主力後輪駆動車へと展開される新世代FRプラットフォームを先行採用。2,780mmという極めて長いホイールベースを確保してゆとりある室内居住性を実現しながら、前輪の切れ角を最適化することで最小回転半径5.1mという優れた小回り性能を両立した。足回りには前後ともダブルウィッシュボーン式サスペンションを採用し、しなやかな乗り心地と正確な操縦安定性を確保。徹底した遮音・制振対策と高い車体剛性により、大型サルーンに劣らない静粛空間が構築された。

動力部には、滑らかな回転特性を誇る直列6気筒DOHCユニットが与えられた。NC250には2.5リッター「1JZ-GE」(200ps)、NC300には3.0リッター「2JZ-GE」(215ps)を縦置きに搭載。2001年のマイナーチェンジでは直噴D-4仕様へと刷新され、NC250の「1JZ-FSE」は200psを維持しつつ低燃費化を達成し、NC300の「2JZ-FSE」は最高出力を220psへと向上させた。変速機には4速または5速の電子制御オートマチックが組み合わされ、駆動方式は後輪駆動を基本とし、のちにNC250にはフルタイム四輪駆動仕様「Four」も追加された。

先進電子装備の投入にも余念がなく、世界初となったナビ協調変速機構「NAVI・AI-SHIFT」を採用。カーナビの道路曲率情報を先読みして最適なギア段を自動選択する高度な制御を具現化した。さらに赤外線を用いたレーザークルーズコントロールや、国産乗用車として初設定となったカーテンシールドエアバッグを選択可能とするなど、安全・快適技術の先駆けとなった。内外装には本木目や上質なシート素材が惜しみなく奢られ、大型車からの乗り換え層に向けた上質感を確立。小型高級車というジャンルの先駆として自動車史に確固たる足跡を残した。

関連ブログ

トヨタ オリジン(2000-2001 日本)
2000年11月に発売された「トヨタ オリジン」は、同社の国内自動車生産累計1億台達成を記念して企画された限定生産の高級セダンである。1955年に登場したクラウンの原点をモチーフとし、特徴的な格子状フロントグリルや観音開き構造のドア、車体後…

画像ギャラリー

タイトルとURLをコピーしました