アルファロメオ アルフェッタ GTV 2.6 V8(1977 ドイツ)

アルファロメオ

1977年のフランクフルトモーターショーで発表された「アルフェッタ GTV 2.6 V8」(通称GTV8)は、ドイツ・アーヘンの有力ディーラーを率いるホルスト・ライフ氏が企画し、デューレンのデルタ・オートテクニック社が製作を手掛けたハイパフォーマンスモデルである。アウトバーンでの高速巡航を見据え、ドイツ独自に立ち上げられたディーラー主導のプロジェクトとして送り出された。

フロントに積まれたのは、「モントリオール」譲りとなる2.6リッター(2,593cc)の90度V型8気筒DOHCである。SPICA製機械式燃料噴射システムを備え、200psを発揮。大柄なV8ユニットと補機類を収めるため、ボンネット中央には専用の大型バルジが設けられ、直列4気筒を積む標準モデルとは一線を画す威容を誇った。

アルフェッタ伝統の後輪側トランスアクスルを踏襲したものの、強大なトルクに対して駆動系の耐久性不足が深刻な課題となった。さらに同年、母体であるモントリオールの生産終了によってエンジンの供給自体が途絶。当初掲げられた100台の生産計画は頓挫を余儀なくされ、実際に完成したのはわずか2〜3台(現存1台)にとどまった。

最高速度約230km/h、0-100km/h加速7.5秒と公称された俊足と、小型クーペに大排気量マルチシリンダーを詰め込む野心的な試みは、のちにアルファロメオ自身が量産化する「GTV6」の思想的先駆けとなった。市販化には至らなかったものの、アウトバーンでの覇権を目指した過激な試作車として、自動車史に記録されている。

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