1974年に登場した「アルフェッタGT」は、ジウジアーロ率いるイタルデザインが手掛けたファストバッククーペである。ベースとなるセダンからホイールベースを110mm短縮した2400mmの車体に、空力特性に優れたウェッジシェイプを融合。大人4名が乗れる実用的なキャビンを備えながら、純粋なスポーツクーペのプロポーションを両立させた。
最大の技術的特徴は、クラッチ、変速機、デフを後軸直前に一体配置する「トランスアクスル方式」にある。前ダブルウィッシュボーンにトーションバー、後ド・ディオンアクスルにインボード式ブレーキを組み合わせ、前後重量配分約50:50とバネ下重量の軽減を実現。なお、初期型は運転席正面に回転計のみを配し、速度計をダッシュ中央に置く特異な計器配置を採用していた。
当初は1.8リッター直列4気筒DOHC(1779cc、122ps)のみだったが、1976年に排気量体系を再編。1.6リッター版とともに、「ヴェローチェ」を意味する「V」を冠した2.0リッター高性能版「アルフェッタGTV(1962cc、130ps)」が登場した。この1976年の改良時に、計器類は運転席正面へ速度計と回転計を並べる一般的な配置へと改められ、日常の視認性が向上した。
その後、1979年には競技認定を目的にレース部門のアウトデルタが開発した過給仕様「ターボデルタ」が限定導入されるなど、シャシーのポテンシャルを活かした多彩な展開を実施。軽快に吹け上がる伝統のツインカムと洗練されたシャシーの融合は、卓越した操縦性を生み出し、GT/GTVはスポーツクーペ市場で独自の地位を築き上げた。

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