ジェンセン インターセプター(1966-1976 イギリス)

ジェンセン

1966年に登場した「ジェンセン インターセプター」は、英米伊の要素を融合させた高級グランドツアラーである。前身モデルのFRP製から頑強な鋼管チューブラーフレームに鋼製外板を架装する構造へと刷新し、外観造形はイタリアの名門工房トゥーリングが担当。初期の車体製作はヴィニャーレが手掛け、後にイギリス国内の自社工場での内製へと移行した。後方を包み込むような大型曲面ガラスのハッチゲートを備える流麗なファストバック意匠が大きな特徴となった。

室内は伝統のコノリーレザーを惜しみなく配した空間を構築。1966年の「シリーズ1」から前部意匠等を改修した1969年の「シリーズ2」、専用アルミホイールを備えた1971年の「シリーズ3」へと進化し、1975年にはウォールナット材パネルが正式採用された。動力源にはクライスラー製V型8気筒を搭載。当初の6.3リッター(330hp)から、シリーズ3では排気量を拡大した7.2リッター(305hp/3基のキャブレターを備えた高性能版SPは385hp)を設定した。

前輪に独立懸架、後輪にリーフリジッドを配し、4輪ディスクブレーキとパワーステアリングによって高い運動性と操縦性を確保。なお、世界初の乗用フルタイム4輪駆動と機械式ABSを備えた革新的な派生車「FF」のベースとなったほか、シリーズ3の時代には優美なオープンモデルであるコンバーチブル等も追加された。

オイルショック等の影響を受け1976年に約6,400台で生産を終了したが、1980年代には「シリーズ4」として復活生産が行われた。サービス部門を継承したジェンセン・カーズが1983年に発表し、クライスラー製5.9リッターV8を搭載。シリーズ3までの佇まいを受け継ぎつつ、熟練工によるハンドメイド体制のもとで1990年代初頭までごく少数が再生産された。時代や経営の荒波を越え、熱狂的な愛好家に支えられ続けた希有な名車として記憶されている。

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