1966年のジュネーブモーターショーで初公開された「ランボルギーニ ミウラ」は、量産スポーツカーとして世界で初めて大排気量V型12気筒を横置きミドシップに搭載した記念碑的モデルである。若き技師ジャンパオロ・ダラーラとパオロ・スタンツァーニ、テストドライバーのボブ・ウォレスらが主導して極秘裏に開発。1965年のトリノで先行披露された先進的なベアシャシー「TP400」に、ベルトーネに所属する気鋭マルチェロ・ガンディーニが極めて低く流麗な造形を架装して誕生した。
車体中央の座席直後に横置き配置された動力源は、名設計者ジオット・ビッザリーニが手がけた名機の系譜を引く3,929ccの60度V型12気筒DOHCである。変速機やディファレンシャルをエンジンのクランクケースと一体化させた合理的な複合構造を採用。車台には軽量化のため多数の肉抜き穴を施した薄鋼板ボックス断面のプラットフォームシャシーを用い、4輪ダブルウィッシュボーン懸架と4輪ディスクブレーキを配して、高性能ロードカーにふさわしい卓越した運動性能と操縦安定性を追求した。
モデルサイクルを通じて着実な改良が重ねられた。当初の「P400」(350ps)から、1968年には内装の質感向上や各部を強化した「P400S」(370ps)へと発展。そして1971年には完成形となる「P400SV」が登場した。385psへと増強され、ヘッドライト周りの特徴的なまつ毛状ルーバーを廃止。後輪トレッドの拡幅に伴いグラマラスなフェンダーラインが与えられた。さらにSVの生産途中からは、エンジンと変速機で共用していた潤滑油路を完全に分離独立させる改良が施され、耐久性と信頼性を大きく向上させた。
前後のカウルが大きく跳ね上がるドラマチックな構造や圧倒的な速さは世界に衝撃を与え、「スーパーカー」という概念そのものを確立した。1973年までに累計約760台が生産され、創業間もないランボルギーニの名を一躍世界トップブランドへと押し上げた。技術的革新性と芸術的な造形美を高次元で融合させた不朽の名作として、今なお自動車史の頂点に君臨している。

ミウラがV型12気筒エンジンを横置き配置した背景にはBMCミニの存在がある。エンジンとトランスミッション2階建て方式のミニのアイデアを取り入れ、ミウラのエンジンはミッションを脇に抱えて一体化。これをミドシップに横置き配置しホイールベース短縮に貢献した。ミニと同様にエンジンオイルはトランスミッションとディファレンシャルの潤滑も受け持った。

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