1980年代後半、クライスラー傘下にあったランボルギーニが、ジャルパの後継となる小型スポーツカーとして企画した試作車が「ランボルギーニ P140」である。技術責任者のルイジ・マルミローリが開発を指揮し、外観造形は名匠マルチェロ・ガンディーニが担当。フラッグシップモデルであるディアブロを補完する量産型エントリーモデルとして、1990年代初頭の市場投入を目標に実走試験車の開発が進められた。
車体構造には、アルミ押し出し材を接着接合した革新的なアルミニウム製モノコックを採用。外板にはアルミパネルや炭素繊維複合素材を多用し、高剛性と徹底した軽量化を両立させた。着脱式ルーフを備えた車体は、直線基調のウェッジシェイプにガンディーニ特有の幾何学的な造形が与えられ、リトラクタブル式前照灯を備えた低いノーズを特徴とした。車両重量は約1,280kgに抑えられている。
座席背後の空間には、新開発された4.0リッター(3,961cc)90度V型10気筒DOHC 40バルブユニットを縦置きミドシップに搭載。自然吸気から372psを発生し、専用設計の6速マニュアルを介して後輪を駆動した。当時の同級モデルとしては異例のV10形式を採用したこのユニットは高回転まで力強く回り、試験走行において時速295kmを超える最高速度を記録するなど、優れた動力性能を実証した。
極めて高い完成度に達していたものの、1990年代初頭の湾岸戦争に端を発する世界的な景気後退やスポーツカー需要の冷え込み、親会社クライスラーの経営判断により量産化は見送られた。試作車は数台が製作されたにとどまったが、ここで培われたV10ユニットの思想やアルミ骨格技術は、1995年の「カッラ」を経て、のちの「ガヤルド」へと結実。新世代を拓く重要な布石となった。

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