アウディ S3(1999-2003 ドイツ)

アウディ

1999年に登場した初代アウディ S3は、プレミアムコンパクト「A3」の3ドアをベースに開発された高性能モデルである。フォルクスワーゲングループのPQ34プラットフォームを採用し、縦置きエンジンレイアウトを伝統としてきた「クワトロ」において初となる横置きハルデックス式フルタイム4WDを搭載。センターデフを持たない機構ではあるが、電子制御油圧多板クラッチが瞬時に前後トルクを最適配分し、高い操縦安定性を確保した。

心臓部には、1気筒あたり5バルブを備える1.8リッター直列4気筒DOHCターボ(20バルブ)を搭載し、6速MTが組み合わされた。過給熱を効率よく冷却するためフロント左右に独立したツインインタークーラーを配置。前期型は最高出力210馬力を発揮し、2001年の改良型(後期型)では225馬力、28.5kgmへと強化された。このパワートレーンは初代アウディ TT クーペの上位グレードと共通の基本設計を持つ。

外観では、トレッド拡大に伴い標準A3から張り出した専用のブリスターフェンダーが特徴である。専用バンパーや17インチ「アヴス(Avus)」アルミホイールを備え、室内にはレカロ製スポーツシートを標準装備するなど、内外装ともに硬派な仕立てが施された。

実用的なハッチバックボディに高度な4WD機構とハイパワー過給エンジンを凝縮したS3は、天候を問わず安定した高速巡航を可能にした。Cセグメントの車両に本格的な走りと上質感を両立させる手法を取り入れ、アウディの高性能ライン「S」の市場をコンパクトカーの領域へと拡大させた。

タイトルとURLをコピーしました