トヨタ iQは、「マイクロプレミアム」を掲げて開発され、2008年から2016年まで製造されたコンパクトカーである。全長2,985mm、全幅1,680mmという軽自動車より短い全長に普通車枠の幅を持たせた独自のパッケージが特徴である。徹底した軽量化により車両重量は890kgから950kgに抑えられ、最小回転半径3.9mという高い小回り性能を実現した。
パワートレインは、国内向けに最高出力68馬力の1.0リッター直列3気筒と、94馬力の1.33リッター直列4気筒ガソリンエンジンが設定され、CVTのほか一部に6速MTが組み合わされた。さらに欧州市場向けには、高い環境性能と豊かなトルクを両立した1.4リッター直列4気筒ディーゼルターボエンジンも用意されていた。駆動方式はFFで、1.0リッターガソリンモデルの燃費性能は日本のJC08モードで20.8km/Lに達し、各市場のニーズに応じた高い効率性を誇っていた。
全長3m未満で4人乗車(大人3人と子供1人の3+1シーター)を可能にするため、数々の専用技術が投入された。通常とは逆にディファレンシャルギアをエンジン前方に配置した「デフ反転」レイアウト、床下のフラット燃料タンク、小型空調ユニットなどが挙げられる。さらに、助手席側を前方に配した非対称ダッシュボードにより、室内空間をミリ単位で効率化した。
安全面では、世界初のリアウインドウ・カーテンシールドエアバッグを含む計9個のエアバッグを標準装備し、コンパクトな車体ながら高い衝突安全性能を確保した。トヨタ iQは既存のカテゴリーに捉われない超高効率設計の極致として、都市型モビリティの新たな可能性を提示した。

トヨタ iQのミニマム設計の極みは、欧州仕様に用意された1.4リッターの直4ディーゼルターボ搭載モデル。これを狭いエンジンコンパートメントに収め、静粛性にも配慮する設計は開発陣の血のにじむような努力の賜物。90馬力、190Nmを発生する強力な1ND-FTV型エンジン、そして6MTの組み合わせは、0-100km/h加速10.7秒、最高速度170km/hと、シティコミューターの域を完全に超える性能を誇った。

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