フォード マーヴェリック(1988-1994 オーストラリア)

フォード

1988年にオーストラリアで発売された「フォード マーヴェリック」は、日産サファリ(現地名:日産パトロール)のOEM供給車である。導入の背景には、オーストラリア政府の自動車産業再編政策「ボタン・プラン」が存在した。両社の提携に基づくものであったが、現地生産ではなく日本からの完成車輸入として導入された。車名は初代モデル以来となる名称の復活であった。

車体構造は日産サファリと共通の堅牢なラダーフレームを骨格とし、2ドアのショートホイールベース、4ドアのロングホイールベース、商用向けキャブシャーシを設定。外観にはフォード専用グリルやバッジが与えられた。足回りは前後に高耐久なリジッドアクスルを備え、ワゴン系には4輪コイルサスペンションを採用することで、過酷な不整地での走破性と舗装路での操縦安定性を両立させた。

パワートレーンには、オーストラリアの環境に耐えうる日産製の直列6気筒OHVユニットを搭載。4.2リッターガソリン(TB42型)と4.2リッターディーゼル(TD42型)が用意された。変速機はガソリン仕様に5速MTと4速ATが設定された一方、ディーゼル仕様は5速MTのみとされた。副変速機を備えたパートタイム4WD機構により、高い悪路走破性を発揮した。

高い耐久性と牽引力により、アウトバックの長距離移動やレジャー需要で定評を獲得した。しかし、1992年に日産がオーストラリアでの現地生産から撤退したことで両社の包括提携が解消に向かい、相互供給の終了に伴って1994年に販売を終えた。政策主導によるバッジエンジニアリングが生んだ輸入モデルとして、独自の足跡を残している。

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