1993年に登場したセダンの「セントラ200STi」と、翌1994年に追加されたハッチバックの「サブレ200GXi」は、日産南アフリカ(ロスリン工場)が現地生産・販売を手掛けた前輪駆動スポーツである。南アフリカ市場ではN14型パルサーのセダンに「セントラ」、ハッチバックに「サブレ」の名が与えられており、両車は同一プラットフォームから派生した純粋な兄弟車であった。日常的な実用車の佇まいに、高性能ユニットを移植した現地専用車として企画された。
心臓部には「SR20DE」型2.0リッター直列4気筒DOHC16バルブ自然吸気(138hp、179Nm)を搭載。高回転域まで素直に吹け上がるエンジンに、専用ギア比の5速マニュアルとビスカスLSDが組み合わされ、約1.1トンの軽量な車体を力強く加速させた。
足回りは前マクファーソンストラット、後パラレルリンクストラットの4輪独立懸架を採用し、専用スプリングや強化スタビライザーによって引き締められた。フロントにベンチレーテッドディスクを備える4輪ディスクブレーキを装備し、外装は控えめなリアスポイラー程度にとどめながらも、高い操縦安定性と俊敏な回頭性を高次元で両立させていた。
南アフリカのスタンニック・グループN選手権において、BMWやオペルなどの強力なライバルを相手に幾度も総合優勝を飾り、マニュファクチャラーズタイトルを獲得。競技での圧倒的な強さによって現地で熱狂的な支持を集めた両車は、1990年代の日産が地域特有の要求に応えて送り出した、名作ホットハッチおよびスポーツセダンとして刻まれている。

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