ルノー 12 ゴルディーニ(1970-1974 フランス)

ルノー

1970年7月にポール・リカール・サーキットで初公開された「ルノー 12 ゴルディーニ」は、大衆実用セダンのルノー 12をベースに開発された高性能スポーツセダンである。後方配置エンジン(RR)で活躍した「ルノー 8 ゴルディーニ」の後継として企画され、ゴルディーニの名を冠するモデルとして初めて前輪駆動方式を採用した。外観には象徴的なフレンチブルー地に2本の白ストライプが施され、前後の大型バンパーを撤去して軽量化と精悍な競技用スタイルを両立させた。

動力部には、ルノー 16TS用のアルミ製ブロックを基礎に開発された排気量1,565ccの水冷直列4気筒OHVユニットを搭載。クロスフロー燃焼室と2基のウェーバー45 DCOEツインキャブレターを備え、125psのパワーを発生させた。組み合わせる変速機には5速マニュアルを採用。エンジンを前車軸の前方に配置する縦置き前輪駆動の特性を活かし、最高速度185km/hに達する俊敏な高速巡航性能を獲得した。

足回りには前輪ダブルウィッシュボーン式、後部にリジッドアクスルを採用し、強化スプリングと太径アンチロールバーによりロール剛性を向上。制動装置には、前輪にベンチレーテッドディスク、後部にもディスクを配した4輪ディスクブレーキを採用し、高い減速性能を確保した。キャップを省いた専用スチールホイールを装着し、タコメーターや追加計器、ホールド性に優れたシートを備えるなど、ドライバー主導の機能性が追求された。

1970年から1974年までの期間に5,188台が生産された。ルノーが主催するワンメイクレース「クーペ・ゴルディーニ」の公式車両としても指定され、のちにF1で活躍する多くの若手ドライバーを輩出する育成の場となった。RRからFFへの駆動方式の転換を成し遂げ、過酷なラリー競技やサーキットで高い競争力を発揮した実戦派モデルとして、モータースポーツ史に確固たる記録を残した。

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