1984年のパリ・サロンで発表された第2世代ルノー 5は、フランス語で「スーパー5」を意味する「シュペール5(Supercinq)」の愛称で市場へ投入された。スタイリングはマルチェロ・ガンディーニが担当。世界的な成功を収めた前世代の象徴的プロポーションを尊重しつつ、段差を極力排したフラッシュサーフェス化を推進した。空気抵抗係数(Cd値)0.35を達成するなど、空力特性と近代的な洗練度を高い次元で調和させた。
車体構造は、ルノー 9や11で実績を積んだコンポーネントをベースとして活用し、全面的に刷新。前世代におけるエンジンの縦置き配置から、現代的なエンジン横置きの前輪駆動レイアウトへと改められた。これにより、前世代特有の左右で異なっていたホイールベースが等長化され、室内空間と荷室の有効容積が劇的に拡大した。足回りには前輪マクファーソンストラット式、後部にトーションバーを用いたトレーリングアーム式を採用し、優れた操縦安定性を確保した。
動力部には、排気量1.0L(42ps)や1.1L(47ps)、1.4L(60〜72ps)の水冷直列4気筒OHV「クレオン・フォンテ」ユニットを搭載。1985年にはギャレット製インタークーラー付ターボを備えた「GTターボ(115ps)」も投入され、車重850kgの軽量な車体を俊敏に走らせた。後年には1.7LのSOHCやディーゼルも追加され、4速または5速マニュアル、3速オートマチック変速機との組み合わせで幅広い走行性能を提供した。
実用性を高めた5ドアモデルの追加や、本革シートを備えた高級仕様「バカラ」など多彩なバリエーションを展開。1990年に後継モデル「クリオ」が登場した後もエントリー仕様の需要に応えて併売され、1996年まで生産が継続された。シュペール5単体での総生産台数は約340万台を記録。前世代の合理的な思想を最新の工学技術で再構築し、欧州コンパクトカーの確固たる基準を築き上げた。
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