アルファロメオ カラボ(1968 イタリア)

アルファロメオ

1968年のパリ・サロンで公開された「アルファロメオ カラボ」は、ベルトーネのマルチェロ・ガンディーニが手がけた記念碑的コンセプトカーである。車名はオサムシ科の甲虫(Carabidae)に由来し、玉虫色のメタリックグリーンに蛍光オレンジのアクセントを配した色彩が与えられた。極限まで全高を抑えた鋭利なクサビ型フォルムは、1970年代のスーパーカーデザインを決定づける原点となった。

車体骨格には、レーシングカー直系の「ティーポ33ストラダーレ」のシャシーを採用。座席背後のミドシップに、カルロ・キティ率いるアウトデルタが開発した1,995ccの90度V型8気筒DOHCを縦置きで搭載した。スピカ製機械式燃料噴射を備え、高回転域で230psを発生。6速マニュアル変速機を介して後輪を駆動する本格的な走行構造を有していた。

意匠面における最大の革新は、前ヒンジで垂直方向へ跳ね上がる「シザードア」を世界で初めて採用した点にある。極端に低い車体構造において乗降性を確保するための機能的解決策でもあり、格納式前照灯を隠すルーバー状フラップとともに未来的な外観を構築した。

ガンディーニがカラボで提示した極端なウェッジシェイプとシザードアの組み合わせは、のちの「ランボルギーニ カウンタック」をはじめとする数々の名作へ直接継承された。単なる造形美にとどまらず、以後の自動車デザイン思想を根本から変革させたコンセプトカーとして、歴史上極めて高い評価を確立している。

アルファロメオ カラボについては、ランボルギーニ カウンタックとの共通点も多く、同じくガンディーニによるデザインのストラトスゼロと共に、デザイン上での直接の前身とも言われている。

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