ランボルギーニ カーラ(1995 イタリア)

ランボルギーニ

1995年のジュネーブ・モーターショーで発表された「ランボルギーニ カーラ」は、カロッツェリア・イタルデザインを率いるジョルジェット・ジウジアーロが提案した試作クーペである。「ジャルパ」の生産終了以降、途絶えていたエントリーモデルの復活を期して企画され、当時の親会社であったメガテック体制下で市販化を視野に開発が進められた。優美な曲面で構成されたワンモーションフォルムを特徴とし、頭上には取り外し可能なタルガルーフを備え、実用性と機能美を兼ね備えたスタイリングを確立した。

車体構造には接着アルミ押し出し材を用いたスペースフレームと炭素繊維複合材(カーボンファイバー)製パネルを採用し、高い車体剛性と車両重量約1,300kgの軽量設計を達成した。2+2の座席配置を持つ車内は上質なレザーとスウェードで仕立てられ、後部座席は手荷物置き場としても機能。低いウエストラインと広いガラス開口部により優れた視認性を確保し、日常的な扱いやすさに配慮した人間工学設計が取り入れられた。

運転席後方の車体中央部にミドシップ配置された動力部には、排気量3,900ccの水冷V型10気筒DOHC「40バルブ」ユニットを搭載。400psのパワーと40.8 kgmの最大トルクを発生させた。変速機には6速マニュアル変速機を組み合わせ、後車軸へ効率よく駆動力を伝達。展示用の造形モデルにとどまらず、公道走行試験や各種メディアによる試乗テストを実施できる完全な走行性能を備えていた。

量産化を前提とした高い完成度を誇ったものの、親会社メガテックの経営再編や、1998年のアウディ(フォルクスワーゲングループ)による買収に伴う商品戦略の抜本的な見直しにより、市販化計画は白紙となった。しかし、V10ユニットを積む小型ミドシップモデルという設計思想は、のちに登場する「ガヤルド」の開発へと確実に引き継がれ、同社の歴史的転換期をつなぐ貴重な技術的足跡を刻んだ。

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