プジョー 306 セダン(1994–2001 フランス)

プジョー

1993年に登場したCセグメントのハッチバック「プジョー 306」の派生モデルとして、1994年に追加されたのが「306 セダン(4ドア)」である。ハッチバック優位の欧州Cセグメント市場にあって、コンベンショナルな3ボックスフォルムを求める層やファミリー需要に応えるべく開発された。

スタイリングを手掛けたのは名門ピニンファリーナであり、ハッチバックの軽快なイメージを崩すことなく、流麗でエレガントなノッチバックシルエットを見事に構築した。リアオーバーハングを延長したことで、ハッチバックを大幅に上回る450リッター以上の広大なトランク容量を獲得。実用性の高さとスタイリッシュな外観を高次元で両立させた設計が高く評価された。

メカニズム面ではハッチバックと共通のプラットフォームを採用し、1.6リッターから2.0リッターのガソリンエンジンのほか、定評あるディーゼルユニットを搭載。しなやかに路面を追従する伝統の「猫足」サスペンションと、旋回時にリアタイヤがわずかに同位相へ挙動するパッシブ・リアステア機構を備え、セダンならではの高いボディ剛性と相まって優れた高速安定性と爽快なハンドリングを実現した。

2001年に後継の「307」へバトンを渡すまで生産された306セダンは、ピニンファリーナによるフレンチ・エレガンスあふれる造形と実用性、そして熟成された走行性能を兼ね備えた隠れた名車として、今なお小型セダンファンの間で高く評価されている。

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