シボレー コルベア コンセプト(1954 アメリカ)

シボレー

1954年の「GMモトラマ」で公開されたシボレー「コルベア コンセプト」は、前年に登場した「コルベット」の拡大を模索して製作された試作クーペである。車名はコルベットと、最上級サルーン「ベルエア」を掛け合わせた造語であった。ハーレー・アールが指揮を執り、ワゴン型の「ノマド」等とともにショーを彩った。展示車は当初ルビーレッド塗装であったが、巡回展示では淡い緑色に変更されたとされ、複数台の試作説が存在するのもショーカー特有の背景である。

外観の最大の特徴は、航空機に着想を得た流麗なファストバックのルーフである。グラスファイバー製のボディはコルベットの基本造形を継承しつつ、独自の空力デザインが与えられた。この造形は次期型の原型と語られることもあるが、直接の系譜というよりは、のちに設定される量産コルベットのハードトップ形状や、GMクーペ造形における初期の模索であったと捉えるのが自然である。

ボンネット内には、3.8リッター直列6気筒OHVの「ブルーフレイム」エンジンが収められた。3基のキャブレターを備え、1954年型コルベットと共通の155hpのパワーを発生する。トランスミッションには2速ATの「パワーグライド」が組み合わされ、前方にエンジンを配置して後輪を駆動する伝統的なFRレイアウトが踏襲されている。

優美なスタイリングで好評を博したものの、ベース車の販売不振が響き、量産化は見送られた。試作車も解体処分されたと伝えられている。しかし流麗な造形思想はのちのスポーツモデルに息づき、「コルベア」という車名自体も、1960年にGMが送り出す後置エンジンの小型大衆車へと受け継がれていくこととなった。

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