2003年に登場した「プジョー 206 RC」は、世界ラリー選手権(WRC)での活躍を背景に、Bセグメントの主力ハッチバック「206」の頂点に位置する高性能スポーツモデルとして開発された。フランス本国を含む欧州主要国や日本市場ではラリー競技の栄光を象徴する「RC」の名が冠されたが、英国市場においては伝統的なスポーツグレードの呼称と英馬力表記に由来する「206 GTi 180」の車名で販売された。かつての「205 GTi」の系譜を受け継ぐホットハッチとして、専用の走りの装備が与えられた。
動力部には、排気量1,997ccの直列4気筒DOHC16バルブ自然吸気「EW10J4S型」を搭載。吸気側の可変バルブタイミング機構(VVT)に加え、シリンダーヘッドの吸排気ポート加工をロータス・エンジニアリングが担当した。等長エキゾーストマニホールドを組み合わせ、(177ps/7,000rpm、20.6 kgm/4,750rpm)を高回転域で発生。変速機には1速ギア比をロング化してクロスレシオ化した専用の5速マニュアルを結合し、前輪を駆動した。
シャシー面では、前輪ストラット、後輪トーションバー式のサスペンションを専用に強化。後輪側のトレーリングアーム部には2本の追加タイロッドを配し、旋回時の接地性と追従性を高めた。足元には大径ブレーキディスクと専用の17インチアルミホイール(205/40R17タイヤ)を装着。電子制御スタビリティプログラム(ESP)は完全解除が可能な設定とされ、ドライバーの意図に忠実な操縦性を追求した。
外装には後部ルーフスポイラーやツインテールパイプを装備。室内には高いホールド性を誇る専用バケットシートやアルミ製シフトノブ、カーボン調パネルが奢られた。卓越した旋回性能と高回転型自然吸気ユニットの組み合わせは愛好家から高く支持され、後継の「207」へ移行する2006年まで製造された。

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