1988年1月に発売された「日産 シーマ」は、セドリックおよびグロリアの上位に位置する最上級パーソナルサルーンとして開発された。従来の5ナンバー枠を基本とせず、全幅1,770mmの専用3ナンバー車体を持つピラーレスハードトップを採用。販売系列に応じて「セドリック シーマ」(日産店)と「グロリア シーマ」(プリンス店・モーター店)の2系統が設定された。両車の差異は外装の意匠にあり、フロントグリルはセドリックが重厚な格子状、グロリアが横基調とされたほか、ステアリング中央や後部トランクフードに備わるエンブレムや車名バッジが作り分けられた。
動力部には、排気量2,960ccのV型6気筒DOHC24バルブにインタークーラー付きセラミックターボを組み合わせた「VG30DET型」を主軸に据え、(255ps/6,000rpm、35.0 kgm/3,200rpm)を発揮。自然吸気のVG30DE型(200ps/6,000rpm、26.5 kgm/4,400rpm)も用意された。変速機には電子制御4速オートマチックを組み合わせ、後輪を駆動。ターボ過給による圧倒的な加速性能と、急加速時に後部を沈み込ませて猛然と前進する豪快な走行姿勢が大きな注目を集めた。
足回りには前輪にストラット、後輪にセミトレーリングアームを採用し、上位グレードには減衰力と車高を自動制御する電子制御エアサスペンションを装備した。室内には高級モケットや本革シート、ステアリング中央に固定式スイッチパッドを備えた多機能ステアリングなど、贅沢な装備を配備。優れた静粛性と、大型サルーンの枠を超えた機敏な運動性能が両立された。
優美な佇まいと突出した走水準は好景気の日本市場で熱狂的な支持を集め、「シーマ現象」と呼ばれる社会現象を形成。高価格帯でありながら初年度だけで3万台以上を販売し、国内の高級車像をオーナー自らが運転を楽しむパーソナルサルーンへと刷新した。1991年8月に次代へ移行するまで、時代の勢いを象徴するフラッグシップとして確固たる足跡を残した。

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