日産 ブルーバード(1986-1990 イギリス)

日産

1980年代初頭の貿易摩擦を打開すべく、日産自動車は欧州での現地生産を決断。地域経済再生を目指す英サッチャー政権の積極的な外資誘致政策と合致し、1986年にサンダーランド工場(NMUK)が稼働を開始した。その生産第1号車として投入されたのが英国仕様「ブルーバード」である。

車体には日本市場のオースター/スタンザに相当する「T12型」の骨格を採用。直線基調の4ドアセダンに加え、欧州市場で需要の高い5ドアハッチバックが主力とされた。足回りにはフロントにマクファーソンストラット、リアにパラレルリンク式ストラットによる4輪独立懸架を備え、欧州の高速巡航に適した引き締まった減衰特性が与えられた。

パワートレーンには、1.6リッターから2.0リッターの直列4気筒ガソリンに加え、経済的な2.0リッターディーゼルを設定。さらに最高出力135馬力を発揮する1.8リッター直4ターボ(CA18ET型)を積む「ZXターボ」も用意され、5速マニュアル変速機と組み合わせた力強い走破性が現地で好評を博した。

部品現地調達率は稼働時の約20%から段階的に引き上げられ、1988年秋には英国基準の60%を超える約65〜70%を達成して「欧州製車両」として大陸輸出を開始した。フランス等が「80%未満は完成車輸入枠に含む」と反発したものの欧州委員会の調停により無関税輸出が認められ、1990年には80%超を達成。高い品質と信頼性は英国製工業製品の評価を一新し、後継のプリメーラへと続く礎を築いた。

※写真は英国生産車であるが、西ドイツ仕様のため左ハンドルとなっている
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