日産 クルー サルーン(1994-2002 日本)

日産

1993年にタクシーや教習車、公用車といった営業・業務専用車として誕生した日産 クルー。過酷な運行に耐えうる頑牢な耐久性と実用性を備えたこのセダンをベースに、一般向けとして1994年に追加投入されたのが自家用モデル「クルー サルーン」である。余計な装飾を排した実用本位の設計思想が、個人向けセダンとしても提供された。

営業車の車体構造を色濃く残したパッケージングが最大の特徴であり、乗客の乗降性を最優先して設計された「左側後席ドアが右側より50mm長い」左右非対称ボディをそのまま継承した。スクエアで直線基調のスタイリングにより、広大な後席居住空間と見切りの良い視界、優れた取り回し性を獲得していた。

プラットフォーム構成は、フロント周りに先代のタクシー車両であった「C32型ローレル」のコンポーネントを使用し、キャビンからリヤにかけては「Y31型セドリック」の営業車用フロアを組み合わせたハイブリッド設計である。サスペンションはフロントがC32由来のストラット式、リヤがY31譲りの5リンク式リジッドとなる。エンジンは最高出力130馬力の2.0リッター直6「RB20E型」ガソリンと、94馬力(後期型は100馬力)の2.8リッター直6「RD28型」ディーゼルを設定した。

5速MTも選べる直6・FRレイアウトに加え、足回りの流用・改造ベースとしての適性の高さから、後年にはドリフト走行のベース車両としても特異な人気を集めた。機能美を追求したタフな業務用シャシーを自家用として味わえる、日産の歴史においても希有な生い立ちを持つ1台である。

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